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2 A社がB社を買収するというニュースには驚いた。

 

Subject決めの第2の例として「A社がB社を買収するというニュースには驚いた」という日本語での思考のまとまりを英語にしてみます。

 

まず「A社がB社を買収するというニュースには」をSubjectにしてみましょう。すると英語は以下のようになります。

 

1. The news that Company A acquires Company B surprised me.

 

次に「私は」をSubjectにすると、以下のようになります。

 

2. I was surprised at the news that Company A acquires Company B.

 

私たちにとっての問題は、1と2の英語センテンスのどちらを使うほうがよいかということです。文脈にもよりますが、基本的には1よりも2のほうが英語としては自然な表現といえます。これには理由があります。その理由を階層化の図を使いながら分析していきます。

まず1のセンテンスを階層化した図です。

The news

that Company A acquires Company B

surprised me

みてのとおり、SubjectとPredicateのあいだにModifier(ここではSubjectをModifyする形容詞節)が挟み込まれています。こうしたかたちのセンテンスでは、情報の受け手はセンテンスを最後まで読まなければセンテンス全体の意味が把握できません。たとえば、Modifierの部分までを読んだとしましょう。

The news

that Company A acquires Company B

 

これだけでは、この情報が何をいいたいのかがまだ不明です。ここに最後のSurprised meが加わって、はじめてきちんとした「思考のかたまり」となり、それでこそ読み手にも意味が明確に伝わるのです。

逆にいえば、最後のSurprised meがやってくるまで、読み手はこの情報を頭のなかに記憶しておかなければなりません。それ分だけ、読み手には負担がかかわるわけです。つまり、わかりにくいのです。

次は、2のセンテンスを階層化した図です。

 I

was surprised

at the news

that Company A acquires Company B

ここでは、SubjectとPredicateがまず置かれ、そのあとにその内容を補足するかたちでModifierが置かれています。これなら、情報の受け手はセンテンスを最後まで読まないでも、途中の段階でも意味を確定していくことができます。

たとえば、was surprisedまでを読むとしましょう。

 

 I

was surprised

ここまで読んだだけで読み手は書き手が驚いたという事実を明確につかむことができています。そして、何に驚いたのかの内容が次にくるのだろうとの予測もできます。するとその予測どおり、at the newsという情報がやってくるというわけです。

 I

was surprised

at the news

これで驚いた理由がニュースであったことがわかります。しかし、まだそのニュースの中身が示されていないので、おそらくその内容が次に示されるだろうとの予測がつきます。すると、その予測どおりにthat Company A acquires Company Bというニュースの内容がやってくるのです。

 I

was surprised

at the news

that Company A acquires Company B

こうした情報の流れであれば、前から順番に読んでいっても読み手は情報を頭のなかに記憶しておく必要がありません。読み手にとっては負担が少なく、すらすらと読めます。つまり「わかりやすい」のです。

分かりやすいセンテンスの階層図はスムーズな右肩下がり

一般的に、自然でわかりやすい英文センテンスを階層図に表すと、情報要素は左から右へとスムースな線を描きながら続いていきます。一方、わかりにくく不自然な英語センテンスを階層図に表すと線の途中に凹凸が生じています。こうした凹凸をできるかぎり生じさせないことが、わかりやすくて自然な英語センテンスをつくるための大事なポイントのひとつです。

【心の日英翻訳〈演習編〉】

(サンプル原稿)