「こどもの歌を英語で歌おう―マザーグースから日本の童謡まで」セミナーを開催

9月7日(金)13:00-14:30に武蔵境のスタートアップカフェで「こどもの歌を英語で歌おう―マザーグースから日本の童謡まで」というセミナーをします。誰でも気軽に参加できる「入口」英語講座にするとともに、言語・翻訳研究者らしいちょっとユニークな内容にもしたいと思っています。参加費無料なのでご興味にあるかたはご連絡を。 ​

成瀬塾通信 no.35 線状性と動的理解

ハチ公: ご隠居はん、いてはりまっか? ご隠居: なんや、植木屋のハチ公やないか。どないした? ハチ公: 今日は、ご隠居はんにちょっとおたずねたいことがおますのや。じつは、うちのヨメはんが英語を習いはじめましてな。 ご隠居: ほう、英語てか? ハチ公: へえ。このところワシの稼ぎが悪いもんで、ヨメはんもなんぞ仕事をせんといかんと思うたみたいですけども、手に職があるわけやおまへんさかい、ええ仕事がなかなか見つからん。そこでまず手に職をつけたいんやけれども、はて自分になにができるかと考えたところ、昔から好きやった英語で仕事ができればこんなええことはない、ちゅうわけで、とにかくまず英語の学校に通うことにしたんですわ。 ご隠居: ほうほう。 ハチ公: いろいろ学校さがして、結局、サイマルとかいうとこに決めたみたいです。 ご隠居: ほう、サイマルかいな。そらあ、有名どころやな。 ハチ公: そうでっか。まあ、有名やからええというわけではありませんけどな。で、先月から学校に通ってますのやけど、これがどうもヘンなんですわ。 ご隠居: ほう? ハチ公: 受け持ちがナルセとかいう人なんですが、この先生がどうもわけのわからんことをいうらしいんですわ。言語にはセンジョーセイがあるとか、ドーテキリカイが大事やとか、ヨメはんが学校から帰ってきてから一緒にメシ食いながら話を聞かされまんねんけど、なにいうてんのか、さっぱりわかりまへんねん。ヨメはんに「お前のいうこと、さっぱりわかれへんで」というと、ヨメはんも「そら、そうやろ、ワタシにもさっぱりわからん」というもんやさかい、二人で笑うてます。 そ

「世界を変えないで、世界を作れ」

【どこにも属せないから、世界をつくる。(坂口恭平、建築家・作家)】『気になる人』(渡辺京二、晶文社)より 「僕は若いころから、どこにも入れないなと思っていたので、社会に疑問があったんですよね。その疑問を放置はしたくなかった。自分が感じている疑問を、何か隠すんじゃなくて、自分で考えて、考えたからにはその答えを出したいという気持ちは強くあった。(略) そういうふうに自分の場所を少しずつ作る、うまく作る。「世界を変えないで、世界を作れ」と自分はよく書いてますけど、それを少しずつ自分で作ってみるという作業をやってみたらどうかなと思います。 これからの社会や世の中は、ますます大変になると思うんです。仕事もね。でもみんな普通に会社に入るのに疑問を持ち始めている。そういう意味では、可能性は広がると思う。」 ☆☆☆ 「世界を変えないで、世界を作れ」というアドバイス、いいなあ。「少しずつ作る、うまく作る」というコメントも、身に染みる。 わが身に引きつけて考えてると、翻訳を変える、英語教育を変える、などと大上段に叫んでみても、それで何かが変わる訳ではない。私は革命家にはなれないし、向いていない。 それよりも、小さくてよいから自分なりの翻訳、英語教育が通用する世界を少しずつ、うまく作っていくことこそが大事ですね。

翻訳に心をこめる

翻訳で生計を立てるようになって40年、翻訳に対する私の基本的な考えは変わらない。それは「訳文に心をこめる」ことだ。心のこもらない訳文は読み手に対する侮辱であり、なによりも訳者の自分自身に対する裏切りである。 16年間講師を務めるサイマル・アカデミー産業翻訳者養成クラスでも指導の方針は同じである。たとえどんなに翻訳技術的に優れた訳文であっても、もしもそこに心がこもっていなければ、それは「ゴミ」以外の何物でもない、本当の翻訳者となるためにはそんな訳文を決してつくってはいけないと受講生に言い続けている。 ほとんどの受講生は私の言葉に納得し、心のこもった訳文をなんとしても紡ぎ出そうとする。それはとても難しく苦しい作業であるが、とても楽しい作業でもある。このようにして、数多くの本物の翻訳者がこのコースから巣立っていった。私にとってそれは大きな喜びであり、誇りでもある。 ここ数年、翻訳の世界には激震が走っている。震源はコンピューター翻訳の台頭である。まず翻訳会社がコンピューター翻訳の採用に一斉に走り出した。行き場を失った翻訳者たちは翻訳業を辞めるか、コンピューター翻訳の下請け工になる道を選びはじめた。翻訳者を目指す人間の数は減り、私のクラスでも受講生が激減した。 コンピューター翻訳推進派は、ビッグデータ処理や人工知能の急速な発展によって、もうすぐ人間に劣らない翻訳がコンピューターで可能になるという。たしかにコンピューター翻訳の技術的な進歩はすさまじい。 だが、そんな技術進歩がなんだというのか。心を持たないコンピューターがつくり出した言葉など、どこまで進歩しようとも所詮はゴミでしかない。 コ

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