三つの「英語」――ENL, ESL, EIL

ENL, ESL, EIL 国際英語の研究に関する著名な書のひとつTeaching English as an International Language (Sandra Lee Mckay, Oxford University Press)では、世界の英語使用国を次の3つ領域に分けている。 (1)英語ネイティブ諸国(Inner Circle) (2)英米の元植民地国(Outer Circle) (3)それ以外の諸国(Expanding Circle) Inner Circleで使われる英語を同書は「母語としての英語」(English as a Native Language, ENL)と呼んでいる。Outer Circleで使われる英語については「第二言語としての英語」(English as a Second Language, ESL)と呼んでいる。そしてExpanding Circleで使われる英語を、同書は「国際語としての英語」(English as an International Language, EIL)と定義づけている。 それぞれの「英語」の使用人口(1997年現在)をみてみると、「母語としての英語」で3億2,000万人~3億8,000万人、「第二言語としての英語」で1億5,000万人~3億人、「国際語としての英語」で1億人~10億人とみている。また、この本が発表されてからすでに20年が経つので、現在では「国際語としての英語」の使用人口は飛躍的に増えていると考えてよいだろう。 使用人口に関する制度が外側へいくほどに落ちるのは、どこまでを英語「使用者」とみ

バイリンガルにおける人格の分離と統合

言葉と心の関係はじつに不思議である。通常、私たちは心に思ったことを言葉にのせて他の人に伝えていると考えている。心が先にあって言葉がその後にあるというわけである。だがそれは一面的な見方にすぎない。というのも、言葉がなければ、そもそも心に何かを思うこともできないからだ。そういう観点からみれば、心が先で言葉が後なのではなく、じつは言葉が先で心が後ともいえる。心と言葉はタマゴとニワトリの関係のように、それぞれがそれぞれの原因かつ結果なのだ。 ところで、言葉が先で心が後だとすれば、使う言葉が変わると心もまた変わってしまうことになる。たとえば日本語と英語のバイリンガルの場合、それが同一人物であったとしても、日本語を使う際の心と英語を使う際の心はそれぞれに異なるものということだ。実際のところ、こうした多言語性による人格分離は植民地体制下の人々にしばしば見られることだという。ある本ではこのような現象を以下のような図で表している[1]。 ここでいう心とは根源的な自己のことであり、いっぽうのインターフェイスとは、いわゆる社会的自己のことである。他者つまり外界からは、その人の心はみえないがインターフェイスは、みることができる。このインターフェイスによってみえるものが、世間一般でいうところの、その人の「個性」である。 ところで人格の分離しているバイリンガルでは、この心とインターフェイスとが断絶している。そのため、本来の自己と社会的な自己は必ずしも一致していないのである。さらに、母国語環境でのインターフェイスと外国語環境でのインターフェイスもまた断絶しているため、母国語環境での個性と外国語環境での個性も

「よい」コーチとはどういった存在なのか、そして、学習者による自発的なコーチ選びがいかに大切か

ゴルフのスーパースター、タイガー・ウッズの見事な復活劇を支えた「コーチング」に関する解説記事が出た。以下のサイトである。見出しは「懐疑的だった無名コーチの登用。それでもタイガー・ウッズは復活した」。 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181003-00010002-sportiva-golf この記事は、ゴルフに限らず、「コーチング」一般に通じる、深い話である。もちろん、英語「コーチ」にとっても、非常に重要だ。 「よい」コーチとはどういった存在なのか、そして、学習者による自発的なコーチ選びこそがいかに大切かが、ここからよくわかる。 学習者みずからが自発的に自分を見つめ直してから目標を定め、それを実現するために最も適したコーチを自発的に見つけ出すこと――「英語学び直し」の極意はここにあるのではないか。 以下、記事からの抜粋である。 ☆☆☆ 「では、なぜウッズは復活できたのか。さまざまな理由があると思うが、最大の要因は、コーチ選びに成功したことではないだろうか。」 「欧米には優れたコーチがたくさんおり、スイングだけでなく、ショートゲームやパッティングなど、分業制も進んでいる。また、コーチにもさまざまな種類があって、ひとつのメソッドを教えるタイプもいれば、選手に対して柔軟に対応し、さまざまなスイングモデルを提案するタイプもいる。」 「ウッズは、2014年にクリス・コモという、ほぼ無名のコーチと契約した。『ゴルフスイングコンサルタント』と名乗る彼は、全米中の有名なコーチたちに弟子入りしていて、さらに、テキサス女子大学のヤン・フー・クォン

【聞くに聞けない、英語の疑問あれこれ】

大人になると、なかなか誰かに聞くに聞けない、英語に関する疑問を集めてみました。 【発音】 なぜアルファベットのaには、「エイ」と「ア」の2つの読み方があるのか oneとwonが同じ発音なのは、おかしくないか イヤー(year)は、なぜan yearではなくてa yearなのか psychologyをサイコロジーと発音するのは、どう考えても無理ではないのか 英語ネイティブの声は、なぜ響くのか。英語を話すときには、あのように話さなければならないのか I(アイ)は二重母音だというが、たんに「ア」「イ」という2つの母音のつながりではないのか moderateが「モデレート」ではなく「モデルット」にしか聞こえないのは、なぜか 英語のabc(アルファベット)とローマ字は、なぜ読み方が違うのか 同じ「a」でも、appleのaとnameのaとwalkのaとでは発音が違う。なぜこんなデタラメが英語では許されるのか 【文法】 Do you study English? なのだから、Are you a student?ではなく、Do you be a student?なのではないのか。あるいは、Are you a student? なのだから、Do you study English?ではなく、Study you English?ではないのか 動詞の「原形」とは、いったいなにか。haveの原形はhaveなのに、amやisやareの原形はbeであるのは、おかしくないか。そもそも、なぜ突然beというものが、出てくるのか go, went, goneのなかで、wentだけが、おかしくないか My hobb

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