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November 29, 2017

[JTF 翻訳祭スピーチ原稿]

これから、「ネイティブチェック信仰を抜け出す」という、かなりモノ騒がせなタイトルのもとにお話をさせていただきます。といっても、私はここで「英米偏重主義を打破せよ!」とか「日本人の誇りを取り戻せ!」などといったことをお話するつもりではありません。

また、ネイティブチェックはまったく不必要だ、といった極論を展開するつもりでもありません。ここで取り上げたいのは、もっと現実的でビジネスライクな話です。

現在の翻訳業界では、翻訳プロジェクトのなかでのネイティブチェックの意義や機能や成果が十分に検討されていません。多く...

November 24, 2017

国際英語の発音学習の基本中の基本は「音節のCVC化」「強母音と弱母音の区別」「強母音のみの等時性の確保」の3点の習得に尽きる。この3点さえ習得してしまえば、とにもかくにも国際英語の発音になる。逆にこの3点が習得できなければそもそも国際英語の発音にならない。いわゆる「カタカナ」発音はこの3点が習得できていないことの証明であり、したがってそれは国際英語の発音ではない。

「音節のCVC化」も「強母音と弱母音の区別」も「強母音のみの等時性の確保」も日本語の発音のあり方からは、まったく想像もつかない発音のあり方である。そのため日本語人には習得ど...

November 23, 2017

英語の発音学習をする際になによりも認識しておかなければならないのは、日本社会の中で生まれて育った日本語人には、英語社会で生まれて育った英語人つまり「英語ネイティブ」の英語発音を「完璧に」真似ることは不可能だということである。これは言語研究者にとって常識中の常識である。

たしかに膨大な時間と労力をかければ、英語ネイティブ発音のほぼ近い水準にまで英語の音を真似ることは可能ではある。だが、例えそうした物真似ができるようになったからといって、それがどうだというのか。英語ネイティブの発音に近い発音ができることなど人間としての価値とはいささかも関...

November 22, 2017

日本語の文は和語、漢語、カタカナ語という3つの語彙要素が複雑にからみあったかたちでつくられています。より価値の高い日本語文をつくるためには、この3つの語彙要素を適切に使い分ける能力を養い育てることが必要不可欠です。この演習問題で取り組んできたのは、以下、和語、漢語、カタカナ語の使い分けに関する知識およびトレーニング手法について、簡単にまとめておきます。

1.同じ意味を持つ和語と漢語の使い分けで重要なことは、「モダリティ」(内容に対する話し手の判断や相手への伝達)の違いです。同じ意味なのに漢語ではなく和語のほうを敢えて選んで用いるという...

November 20, 2017

英作文には「正解」などない。このことは、翻訳者仲間ではあまりにも当たり前なので特に話題にもならないが、一般の人のなかでは、英作文に正解というものがあるように思っている人がけっこういるようだ。

じつは英作文だけでなく英文和訳にも「正解」などない。これも翻訳者としては当たり前だが、入試関連の参考書などではまるで英文和訳に正解があるかのような書きっぷりをしているものもあり、それが混乱を招いている。

そもそも日本語の世界と英語の世界とは本質的に異なっているのだから、一対一対応なんぞするわけがない。だから日本語と英語のあいだを行き来する英作文や英...

November 17, 2017

今日(2017.11.17)の日経新聞朝刊8面の「米低学歴層 広がる「絶望死」」という記事が非常に興味深い。記事の出だしは次の通り。

「米国で低学歴の白人中年層の死亡率が急上昇している。オピオイド系鎮痛剤の過剰摂取や自殺が原因だ。社会からの疎外感が背景にあり、トランプ政権の誕生にもつながった。この現象を「絶望死」と名づけて共同研究に取り組むノーベル賞経済学者のアンガス・ディートン・米プリンストン大教授と、妻のアン・ケース同大教授に原因や展望を聞いた。」

以下、記事内容のまとめ。

なぜ米国で「絶望死」が増えたかの理由についてディートン夫妻は...

November 8, 2017

11/8付け毎日新聞の「論点:日本の英語教育のあり方」が面白い。

以下、そのなかの水村美苗のコメント部分の抜粋。

☆☆☆

「まず日本語」の理念確立を 

日本は長い歴史を持つ書き言葉があり、国民国家の言葉としての国語が定着した国だ。しかもその国語は、西洋語とは別の言語体系に属し、別の表記法をもつ。私たちは、日本語を通じて別の目で現実を理解しているのである。日本人の頭に砂が水を吸うように英語が入ってくることはありえない。

そのような日本人にとって「英語はできればできるほどよい」という考えがここまで蔓延しているのは不幸であり、まずは、その考えを根本...

November 8, 2017

従来の学校英作文の指導では「間違いのないきちんとした英語を書くこと」という目標が(暗黙裡ではあるが)設定される。この場合の「英語」とは「ネイティブ英語」のことを(暗黙裡に)指している。

これはじつに馬鹿げた目標設定である。なぜならば大学教師を含む日本人英語教師のほぼ全員が「間違いのないきちんとしたネイティブ英語を書くこと」能力など持っていないからである。もちろん私もそんな能力は持っていない。またその能力を持つ努力を重ねるつもりもない。そんな意味のないことに人生の大切な時間を消費するのは愚か者の所業である。なおネイティブ英語教師の一部(...

November 7, 2017

英文を理解する際の基本単位はセンテンスではない。「思考の基本単位」(命題、意味チャンクと呼んでもよい)である。


センテンスはSubject、Predicate、Modifierという3つの要素からできているが、このなかで(基本的には)Subject-Predicateが1つの思考の基本単位(命題、意味チャンク)である。そしてModifierもまた1つのの思考の基本単位(命題、意味チャンク)である。

したがって、Subject-PredicateにModifierが前と後ろの1つずつ付いているセンテンス(M-SP-M)は3つの思考の基本...

November 6, 2017

先の投稿で、英語ノンネイティブは国際英語を利用するうえで一定の誤用をおこなえる「権利」を持っており、英語ネイティブはそれを許容する「義務」があると、述べた。

では、そうした許容されるべき「一定の誤用」とは、具体的にはどのようなものなのか。

いくつか例を挙げよう。単数形/複数形の誤用やtheの用法のミスは、英語ノンネイティブにとって「権利」なのだろうか。現在形三単現のsの付け忘れについてはどうなのか。過去形と現在完了形の取り違いは許されるのか。分詞句の意味上のSubjectとSentenceの実際のSubjectとの食い違いをどう評価する...

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30代以上の日本人なら誰もが知っている水戸黄門の決め文句。英語にすると、どうなるでしょう。

You! Control yourself! Take a good look at this insignia!

「ええい」は、You!。「お前たち!」のニュアンスです。

「静まれ」は、Be quiet.ではだめ...

「ええい、静まれ、静まれ。この紋所が、目に入らぬか!」

September 28, 2017