知的英語の学習と英会話の学習は違うものです

「今日は会議がある。」という日本語表現に対してWe have meeting today.という英語表現を対応させるのはまずい、と書きました。

けれども、読んでる方のなかには「べつにまずくないのではないか? 会話であればそれでも十分にコミュニケーションがとれるのだから」と思われている方もいるかもしれません。

そのとおりです。会話であればWe have meeting today.で十分にコミュニケーションがとれます。そして十分なコミュニケーションがとれるかどうかを最重要視する「コミュニカティブ・アプローチ」の立場からすれば、それ以上のことをとやかくいうことは、かえって学習者を委縮させることになって逆効果です。

コミュニカティブ・アプローチでは、まず十分なコミュニケーションをとれるようにすることこそ先決であり、いわゆる「文法的」知識・技能は実際のコミュニケーションを積み重ねていくなかで徐々に改善されていくと考えます。この考え方は現在の中学高校での英語教育の基盤になっています。

日本語に置き換えてみれば、たとえば、こういうことです。

もし誰かに今日は会議があることを伝えたいのであれば、文法的な間違いばかり気にしながら不明瞭な発音で「キャウハ、キャイギギャ、アリュマシュ。」のようにたどたどしく伝えるよりも、明確な日本語発音で「キョー、カイギ、アル」とカタコトではっきり伝えるほうが、よほど優れているということです。

コミュカティブ・アプローチで大事なのは、音声の訓練です。それさえしっかりしておけば、あとは本当に最小限の言語規則をまもって単語を並べていけばよいのです。

私は、言語教育に対するこうしたアプローチを否定しません。これはこれで非常に有益なアプローチだと考えます。

けれでもコミュニカティブ・アプローチでは、知的な分野での英語については、読み書きはおろか、会話でさえも十分に行うことはできません。コミュニカティブ・アプローチはそうした目標は立てていないからです。そもそも目指していないからですから達成できるはずがありません。

「今日は会議がある。」という日本語表現に対してWe have meeting today.という英語表現を対応させるのはまずい、というのはそういう意味です。知的な分野での英語についての読み書きや会話でまずい、ということです。そうではなく、たとえば海外旅行で買い物をするときとか英米人と街中で話をするときには、We have meeting today.的な英語でまずくありません。

間違わないでいただきたいのですが、知的英語が上で、日常英会話が下だ、といっているのではありません。私はそのどちらもが大事だと思っています。けれども、知的な英語の学習と英会話の学習とは違う、といっているのです。

そして成瀬塾英作文教室が目指しているのは、塾生の知的英語の能力を伸ばすことであって英会話力を伸ばすことにはありません。ゆえに「今日は会議がある。」という日本語表現に対してWe have meeting today.という英語表現を対応させることはまずい、ということになります。

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