「外国語副作用」

「外国語副作用」という概念がある。内容は「慣れない外国語を使っている場面では、その人の思考能力は低下する=頭が悪くなる」ということである。以下、そのメカニズムについて簡単に説明しよう。

まず、人間の脳が一定時間内で情報を処理できる能力資源は有限であると規定する。これについてはおそらく異論はあるまい。

つぎに、言語で何かの知的作業を行う(会話する、議論する、他)場合には、その有限の情報処理資源を言語的処理と思考的処理の両方に同時並行的に使用しなければならない。「同時並行的」というところがミソである。

そして同時並行的に処理する中でも優先されるのは思考的処理ではなく、言語的処理の方である。なぜなら言語的処理がうまくできなければ、そもそもまともな思考ができないからである。

通常、言語的処理と思考的処理の両方を同時並行的に行ったとしても脳の情報処理資源が足りなくなることはない。すなわち言語的処理と思考的処理はいずれも過不足なく行われる。

ところが母語(日本語)ではなく外国語(たとえば英語)で何かの知的作業を行おうとする場合には、言語的処理に対して母語の場合よりもはるかに多くの情報処理資源を必要とすることから、思考的処理に利用できる脳情報処理資源の方が極端に少なくなってしまう。そのため十分な思考ができずに「その人の思考能力は低下する=頭が悪くなる」のである。

ここからわかることは、私たちが英語を使っているときには、ほとんどの場合、本来の自分よりも現実的に「頭が悪い」状態に陥っているということである。

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