翻訳とは人間の探求であり、社会の探求である。

「翻訳者、通訳者、外交官などは英語を勉強しなきゃいけないと思います。そういう人たちって何%ぐらいでしょうか。1%ぐらい? だとすると、99%の人は中学校や高校で英語を勉強しなくてもいいじゃないかと思うんです。今や小学校でも英語を勉強することになっていますが、自動翻訳機で代替できるという意味ではその必要はないのではないか」(自動翻訳の専門家である隅田英一郎)。

こういうことを平気でいえる人たちは、「翻訳」という営みを根底から誤解している。さらにいえば、それを理解できるだけの真の「知性」が欠けている。

本当の意味での翻訳とは、言葉と言葉とをつなぐことではない。それは、人間の心と心とをつなぐことであり、社会と社会とをつなぐことである。

すなわち、翻訳とは人間の探求であり、社会の探求なのである。ゆえに翻訳を学ぶことは、すなわち人間を学ぶことであり、社会を学ぶことである。そしてそれは、人間として社会人として成長するためのきわめて貴重な手段である。

ゆえに、本当の意味での翻訳と(そのベースとなる)英語学習は「自動翻訳機で代替できる」ような存在では決してない。そしてそのことは、隈田氏のいうところの「1%の人々」にとってだけではなく、よりよく生きようとする「すべての人々」にとってである。

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