山岡洋一さんの座談会

お亡くなりになった翻訳者/翻訳研究者、山岡洋一さんの座談会のサイトがまだ残っていたので、以下にその一部をご紹介します。なおサイトのURLは、http://www.kato.gr.jp/yamaoka2.htm です。

☆☆☆

最近は、インターネットで自分のサイトを公開している翻訳者がけっこういますが、そういうサイトを見ていると、なんだか嫌だなと思うことが多いんです。翻訳学習者向けに学習情報を載せたり、トライアルに合格するコツを紹介したりして、翻訳家になりたい人を集めているようなサイトです。

翻訳に限らず、世の中全体的にいえるんだけれど、どうも下に合わせるようとするところがあるでしょう。合わせるならまだしも、下に媚びを売るような傾向がものすごく強くて、それが嫌なんです。

☆☆☆

下に売ろうとする。下に媚びようとする。それでものがよく売れると思っている理由が、どうもよくわかりません。買う方も買う方だと思うけれど。そういう商品じゃないと売れないと思っているのはどうしてなんでしょう。そうではなくて、これはすごいよね、という方向に持っていかないと面白くないと思うんです。

☆☆☆

翻訳についていうと、翻訳学校にそういう嫌らしさがある。翻訳学校に通う翻訳学習者には、翻訳なんかできるはずのない人が多い。幻想を持たされて、本人達がかわいそうだと思うのですが…。どうせ一人前の翻訳者にはなれないのだから、やめておきなさいって言いたくなります。

☆☆☆

翻訳のパラダイムがおかしくなった。以前は、理想像がもっとしっかりしていたと思います。

翻訳者というのは、読者の代表です。読者を代表して原著を読み、日本語で伝える。そういう責任を自覚していないといけない。責任感を持たないとダメなわけです。そういう責任感がなくなってしまったようで、それがすごく嫌なんです。

代表ということは、選ばれたエリートじゃないといけないわけでしょう。こういうことを言うと嫌われるだろうし、石が飛んでくるかもしれないけれど、翻訳は選ばれた者、エリートの仕事だとしか言いようがないと思います。

特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square

© 2018 成瀬塾