「心をつなぐ」翻訳が消えていくのではないか

今年に入って翻訳者・翻訳研究者としての私が人工知能による翻訳に対して真正面から反論を試みていることに対して、その真意を理解してくれている翻訳関係者は非常に少ない。

これからAI翻訳は「言葉をつなぐ」翻訳能力を急速に向上させていき、おそらく10年以内には「言葉をつなぐ」翻訳では人間翻訳者などとは比べものにならない能力を獲得するだろう。だが私が恐れているのはそのことではない。「言葉をつなぐ」翻訳などAIができるのであればさせればよい。

私が恐れているのは、そうした「言葉をつなぐ」AI翻訳の爆発的な普及によって、本当の意味での翻訳すなわち「心をつなぐ」翻訳が消えていくのではないかということである。内田樹がいうように、言葉とは人間の血であり肉であり骨であるのだが、それがまるで単なる情報伝達ツールのように扱われる日がくるのではないかということだ。

そして、そうなる予兆を現在の翻訳業界の動きに私は強く感じとっている。だから、いま動こうと思ったのだ。まだ間に合う、と強く信じることにする。

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