【日本語ワンポイントレッスン】 「~している」「~してある」「~しておく」は、どう使い分ける?

日本語では、話し手がイマ・ココ(現在)の状態をどのように捉えるかによって、異なる表現を使います。そのひとつの例が、「~している」「~してある」「~しておく」の使い分けです。

この点について、日本語学者の近藤安月子さんは次のように説明しています(『「日本語らしさ」の文法』pp.102-7)。

〇「~している」は、観察した「状態」を「客観的」に捉えようとしている場合に使います。

〇「~してある」は、観察した「状態」において話し手その他の意図的な働きかけの結果が見える場合に使います。

〇「~しておく」は、話し手その他の意図的な働きかけによって、何らかの目的に合致した「状態」を意図的に作り、その状態が維持されている場合に使います。

う~ん、ややこしい、ですね。そこで、以下の具体例で見てみましょう。

【例】

「飲物はもう買った?」

「①買ってあるよ。②冷蔵庫に入れておいたから、③もう冷えているよ。」

①の「(買っ)てある」では、自身の意図的な働きかけの結果が目に見えるかたちで残存していることを表しています。

②の「(入れ)ておいた」では購入時点よりあとに何らかの目的に合致した状態を意図的に作りその状態を維持していることを表しています。

③の「(冷え)ている」では、対象の現在の状態を客観的に表しています。

これらを、英語にすると

“Have you bought any drinks?”

“Yes, I have. I put it in refrigerator, and I’m sure it has been cool already.”

ぐらいでしょうか。

ただ、これでは日本語の「~している」「~してある」「~しておく」に含まれている、観察した状態に対する話し手その他の人間の心の動きは、表現されていません。

このように、日本語は英語とは違って、事態を客観的に捉えるだけではなく、その事態に対する主観的な心の動きを表現できます。このように日本語とは、とても豊かな表現力をもつ魅力的な言語なのです。

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