【日本語ワンポイントレッスン】 「~は」と「~が」

「~は」と「~が」の対比は日本語文法で最も頻繁に取り上げられるテーマです。

「~は」と「~が」の違いのひとつを実例で見てみましょう。

A. 妻は風邪をひいたので仕事を休んだ。

B. 妻が風邪をひいたので仕事を休んだ。

さて「仕事を休んだ」のは誰でしょうか。

Aの場合は「妻」ですね。ではBの場合に誰が仕事を休んだかといえば(このコメントをしている)「夫」の方です。

なぜでしょうか。その理由に「~が」と「~は」の影響力の射程の違いがあります。

「~が」が影響力を及ぼせるのは基本的に次にくる述語(動詞/形容詞/形容動詞/名詞+だ)までです。ですからBの「妻が風邪をひいたので、…」の場合には「ひいた」までで「~が」の影響力は消えてしまい「休んだ。」には「妻が」の影響力は及びません。したがって仕事を休んだのは書き手である「夫」(夫以外は「妻」とはいえませんから)のはずです。

ところが「~は」の場合には影響力は次にやってくる述語だけでなく少なくとも文全体にまで及びます。ですからAの「妻は風邪をひいたので、…」の場合には「~は」の影響力は「ひいた」だけでなくそれを越えて文末の「休んだ」にまで届きます。すなわち「妻は…ひいたので、…休んだ。」です。

じつは「~は」の影響力の射程は文末どころか(次の「~は」が出てこないかぎり)次の文、次の次の文…とずっと続きます。たとえば以下のとおりです。

C. 妻は風邪をひいたので仕事を休んだ。しばらくして薬を買いに行った。

この場合、薬を買いに行ったのは「妻」です。

しかし、ここで「妻が」を「妻は」にすると薬を買いに行ったのも夫の方になります。

D. 妻が風邪をひいたので仕事を休んだ。しばらくして薬を買いに行った。

それにしても、やさしい旦那さんですが、仕事、大丈夫かな。

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