成瀬塾通信 no.32 英語の語彙力を鍛える (2)

「英語の語彙力を鍛える」の(1)と補遺版では語彙力強化の理論と方法について解説した。この(2)(と補遺版)では、実際の語彙力学習の方法を述べる。なお、今回は初級者編である。

ところで語彙の学習の前に、まずはブラインドタッチによるキーボードの英語と日本語のタイピング技術を習得しておかなければならない。これは英語学習にとって必須である。無料/低価格のブラインドタッチ学習ソフトがいくつも出ているのでそれを使えば数十時間でマスターできる。完璧にブラインドタッチをマスターする必要はなく、おおまかでもよい。学習期間は長くとも1-2週間といったところだ。えっ、なぜブラインドタッチが必要なのかって?それはいいから、とにかくマスターしなさい。

英語の音声読み上げも英語学習にとっての必須ツールである。たとえばワードやPDFにも読み上げ機能がついているので(新規設定が必要)それを活用されたい。

さてここからは実際のトレーニングについてである。初級者であれば、とにもかくにも基本1500-2000語彙(を含んだセンテンス)をまず「まる覚え」する必要がある。いやもおうもない。1500-2000程度の語彙がなければ話は何も始まらないのだ。えっ、「まる覚え」はいやだって?それがいやなら英語学習はあきらめるべきだ。

ベースとなる英語語彙学習テキストは購入しておかなければならない。お勧めのものがいくつかあるが、そのひとつは「Duo 3.0」(1200円)である。語彙1600語を含む560の基本例文が掲載されている。

ここでの覚え方では、 (1)単語としてではなく、センテンスとして覚える、 (2)日本語文を手掛かりにして目標の英語センテンスをつくれるようになる、 の2点がとても重要だ。

トレーニングは、ワードなどの文書作成ソフトを使っておこなう。手書き学習だけでは総合的な学習効率が上がらない。手書きは補助作業として使うべきだ。

具体的な学習方法は次のとおりである。

  1. すべての基本英文を、日本語⇒英語の順番でワードファイルにタイプアウトする。 このタイプアウト作業(で手を動かすこと)が語彙学習の重要なトレーニングである。 作成されたワードファイルは今後の学習の日英ベーステキストとなる。 ファイル作成にはそれほどの時間はかからないだろう。(ブラインドタッチ習得済みならば)最初の1-2週間をこのベーステキストづくりに費やせばよい。これだけでもとても良いトレーニングとなる。 ファイル内の英文の音声を音声読み上げソフトを使って確認しておく。同時読みやシャドーイングを行なえば更に良い訓練になる。

  2. 1で作成した日英ベーステキストファイルから、日本語だけの別ファイルを作成する。 例)(ベーステキストファイル) 1. 個人の意思は尊重しなければならない。 We must respect the will of the individual. ↓(日本語だけの別ファイル) 1. 個人の意思は尊重しなければならない。

  3. 2で作成した日本語ファイルのコピーファイルをつくり、それを「作業1ファイル」とする。そこに日本語に対応する英語を自分でタイプアウトしていく。日英ベーステキストをつくったので覚えている英文もあるだろう。できるだけその表現を用いる。覚えていない場合には、たとえば、つぎのように適当に自分で英文をつくる。 例) 1. 個人の意思は尊重しなければならない。 You must respect one’s personal will.

  4. 日英ベーステキストのほうを見る。同テキストは事前にプリントアウトしておくか、またはモニター上で別にファイルを開いてもよい。そこにある英文を確認して、自分でつくった英文の下に自分の手でタイプアウトする。このとき、音声として読み上げると更によい。 例) 1. 個人の意思は尊重しなければならない。 You must respect one’s personal will. We must respect the will of the individual. 両者が同じならば「クリアしたセンテンス」だと分かるように(青とかに)文/センテンスの色を変える。 この作業を、すべての例文でおこなう。

  5. 最後までいったら、もういちど、2で作成した日本語だけのファイルのコピーファイルをつくる。 そのファイル上で、2~4でおこなった作業を繰り返す。 終わったら、また繰り返しである。そうすることで「クリアしたセンテンス」の数がどんどんと増えていく。

この学習法の最大のポイントは、日本語文を手掛かりにしてまず自分で英語センテンスをつくることにある。このように「自分の手を動かす覚え方」は、単語本をそのままソラで覚えようとするよりも、はるかに効率的であり、生産的である。たしかに時間がかかる。だが、かけた時間をはるかに超える大きな成果が得られるのだ。

なおこうした語彙トレーニングは1日1時間までを限度とすべきである。語彙トレは筋トレのようなものであり、やりすぎは禁物だ。下手にやりすぎると、もっと大切なことができなくなる。

1日1時間であっても1年だと365時間の学習時間が得られる。このぐらいの時間をかければ1500-2000語を含む560の基本例文の暗記(ここでいうところの「暗記」とは日本文を手掛かりとして英文としてタイプアウトできるという意味)は誰にでも可能である。

英語学習の初級者の壁は、やはり語彙力なのだ。その壁を越えられるかどうかは、こうした語彙/センテンスの暗記作業を本気でやるかやらないかに尽きるといって過言ではない。こうしたトレーニングを300時間も頑張れば誰にでもその壁は越えられる。初心者の方はぜひやってみてほしい。

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